「ふるさと納税で節税できる」と聞いて、納税を検討している方もいるでしょう。
しかし、実際のところ、ふるさと納税は節税にはなりません。初めての場合には制度が複雑で理解が難しいため「どうして?」と感じるかもしれませんね。
そこでこの記事では、ふるさと納税が節税ではない理由や利用するとお得になる理由について解説していきます。
「ふるさと納税の制度がよくわからない」「お得に制度を活用したい」という人はぜひ参考にしてみてくださいね。
ふるさと納税は厳密には節税ではない
ふるさと納税は厳密に言うと節税にはなりません。
「納税」という言葉が使われていますが、実際には各自治体への寄附にあたります。寄附金額から2,000円を引いた金額が、所得税や住民税から控除される仕組みになっています。ふるさと納税自体が税金の前払いのような形なので、実質的な税金の負担が大きく減るわけではないのです。
とは言え、寄附金額から2,000円を引いた金額が控除され、寄附先の返礼品が受け取れるためお得感のある制度になっています。控除額を考えると実質2,000円で各自治体の返礼品がもらえるからです。また、控除以外にも以下のようなメリットが得られます。
- 寄附先を選べる→好きな地域に貢献できる
- 寄附金の使い道を選べる→地政への意思表示ができる
- 返礼品がもらえる→地域への理解を深める
ふるさと納税で節税したいと考えていた人にとっては目的とは異なるかもしれませんが、利用するメリットは大いにありますよね。
また、多数あるポータルサイトを活用して、返礼品をもらうだけでなくお得な特典を得ることもできます。どのポータルサイトがおすすめなのか知りたい人は、13サイトの特徴やキャンペーンの有無、メリット・デメリットを徹底比較したこちらの記事を参考にしてくださいね!
ふるさと納税で受けられる税制メリット
ふるさと納税を行うと所得税や住民税の控除が受けられます。
ただし、受けられる控除額には上限が設けられています。控除上限額を超えた分は自己負担になってしまうので注意してくださいね。控除上限額は家族構成や年収によって異なります。総務省公式サイトに控除上限額の早見表がありますので、気になる方はこちらも参考にしてみてください。
控除を受けるためにはふるさと納税をした後、納税額を申告する必要があります。受けられる控除は申請方法によって異なりますので注意してください。
控除額の計算方法をそれぞれ紹介していきます。
ワンストップ特例制度で控除される住民税の計算方法
ワンストップ特例制度は確定申告よりも手続きが簡単で手軽に行えます。
ワンストップ特例制度を利用するためには、以下3つの条件を満たす必要があります。
- 確定申告をしなくてもいい給与所得者等である
- ふるさと納税をした自治体数が1年間に5団体以内である
- ふるさと納税をした自治体に特例の申請をしている
(翌年1月10日必着)
確定申告をしなくてもいい人とは、年間の給与所得が2,000万円以内で給与の受け取りが1か所の人などです。「自分が確定申告が必要なのかどうかわからない」という場合には、国税庁の公式サイトにて条件を確認してみてください。
ワンストップ特例制度を利用すると住民税から控除されます。
住民税の控除は「基本分」と「特例分」に分かれているため、それぞれ計算する必要があります。計算式は以下の通りです。
住民税控除(特例分)=(ふるさと納税額−2,000円)×[{100%−10%(基本分)}−所得税率]
所得税率については年収によって異なります。ご自身の所得税率を知りたい場合には、国税庁公式ページを参考にしてください。
確定申告で控除される所得税・住民税の計算方法
確定申告を行う場合の控除額の計算方法は以下の通りです。
住民税控除(基本分)=(ふるさと納税額−2,000円)×10%
住民税控除(特例分)=(ふるさと納税額−2,000円)×[{100%−10%(基本分)}−所得税率]
確定申告の場合には所得税の還付と住民税の控除が受けられるため、両方を計算する必要があります。
ふるさと納税の控除額は、納税額から2,000円を引いた金額です。そのため、以上3つの式で算出した数字をすべて合計した金額が「納税額−2,000円」になっているかを確認すると、計算間違いがないかがわかりますよ。
また、同時に「納税額−2,000円」が控除上限額内に収まっているかも確認しておきましょう。上限額を超えている場合には、実際に受けられる控除額が異なるからです。ご自身の控除上限額を簡単に調べるには、ふるなびのシミュレーションツールがおすすめですよ。
ふるさと納税で控除を受けるための申請方法
ふるさと納税で控除を受けるための申請方法は、以下2つの場合で異なります。それぞれ確認していきましょう。
ワンストップ特例制度の申請方法
ワンストップ特例制度では、納税先の自治体に申請書を送付することで手続きができます。手続きに必要な書類は以下の通りです。
- 寄附金税額控除に係る申告特例申請書
- マイナンバーカードもしくは通知カード+本人確認書類
「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」は納税した自治体から送られてきます。送付されない場合には、ふるさと納税サイトからダウンロードできるのでマイページを確認してみましょう。書類の提出は翌年1月10日が期限なので、自治体から書類が届いたら速やかに手続きしてくださいね。
また、以下2つに当てはまる場合には手続きが通常とは異なるため、注意しましょう。
- 翌年1月1日までに住所変更があった場合
- ワンストップ特例制度を利用した後に確定申告もした場合
ふるさと納税をした後に住所変更があった場合には、新住所で申請を行う必要があります。ワンストップ特例制度の申請書を新住所にて入手するか、旧住所の書かれた申請書を訂正印にて新住所に変更して利用してくださいね。
返礼品の受け取りが完了していない場合には、配送先の住所変更も忘れずに行いましょう。
また、ワンストップ特例制度を利用した後に確定申告をした場合には、確定申告の内容が優先されます。ワンストップ特例制度の内容が無効化されるので、確定申告で納税額を記載するようにしてください。
「ワンストップ特例制度を利用したが寄附先が5団体を超えた」といった場合には、確定申告を行うことで申告方法を自動的に変更できますよ。
確定申告の申請方法
確定申告を利用する場合には、所得税と住民税の控除が受けられます。納税した翌年2〜3月が確定申告の実施期間なので、忘れずに手続きしましょう。手続きには以下4つの書類が必要です。
- 寄附金受領証明書:寄附先の自治体から送られてくる
または
寄附金に関する証明書:ふるさと納税ポータルサイトから発行される
- 個人番号確認の書類:マイナンバーカードまたは通知カード+本人確認書類
- 還付金受取の口座番号:納税者本人の口座
- 対象期間の源泉徴収票:確定申告書類の記入に必要
所得税の控除は還付金として現金が直接戻ってくる仕組みです。そのため、還付金を受け取るための銀行口座についても申告する必要があります。
インターネットで確定申告ができるe-Taxを利用する場合には、本人確認書類の提示が不要になります。手間を省きたい方は活用するとよいでしょう。
令和3年度から、ふるさと納税もマイナポータル連携の対象になりました。マイナポータル連携とは、政府が運営するオンラインサービス「マイナポータル」から、確定申告や年末調整に必要な控除証明書等の情報を一括で取得し、各申告書の該当箇所へ自動入力する機能です。
確定申告の手続きがかなり楽になるので、マイナンバーカードを持っているならおすすめの方法です!医療費や住宅ローン控除関係、国民年金保険料、生命保険、地震保険等、幅広く対応していますよ。
マイナポータル連携の利用には、マイナンバーカードのほかにマイナンバーカード読み取り機能付きのスマートフォン、もしくはICカードリーダーが必要です。
また、マイナポータル連携を初めて利用する際は、事前設定が1度必要です。次年度からは設定不要で、毎年情報を取得できます。税務署へ取得したデータ(原本)を送信するので、書面の証明書の提出や保管も不要です(※e-Tax送信する場合のみ)。国税庁のサイトやyoutubeチャンネルでも解説されているのでチェックしてくださいね。
確定申告の場合には所得税の控除も受けられますが、年末調整で所得税が0円になっていると控除が受けられません。お住まいの自治体に住民税の申告書を提出すると、所得税の控除分も住民税から控除してもらえるようになります。所得税が0円になっている場合には手続きを行ないましょう。必要書類や手続き方法については、お住まいの自治体に問い合わせてみてください。
ふるさと納税の控除が受けられる時期
ふるさと納税の控除が受けられる時期は、住民税と所得税で異なります。
・所得税→翌年4〜5月に還付
住民税の場合には翌年以降の納税分が安くなりますが、所得税は控除分が現金で戻ってくる形です。控除の受け方が異なるので混同しないよう覚えておきましょう。
納税する期間や納税額の手続きのスケジュールを図でまとめると以下のようになります。
ワンストップ特例制度の申請書は翌年1月10日が期限です。実際に控除が受けられるまで5ヶ月ほどかかります。
確定申告の場合には申請期間が翌年2〜3月にあり、所得税の還付が翌年4〜5月にあります。
ふるさと納税後に控除されているか確認する方法
ふるさと納税を行なった後「きちんと手続きできた?」「本当に控除されている?」などと気になりますよね。控除が受けられているかを確認する方法は、住民税と所得税で異なります。
住民税控除の確認方法
住民税の控除は「住民税決定通知書」という書類で確認できます。書類の名称は職業によって異なるので注意してくださいね。会社員は「給与所得等に係る特別市(区)民税・県(都・府・道)民税 特別徴収税額 の決定通知書」、フリーランスや自営業者は「税額決定兼納税通知書」です。
住民税決定通知書の摘要欄を確認してください。「寄附金税額控除 市民税〇〇円 県民税△△円」などと書かれていれば、控除されています。
摘要欄に記載がない場合には「市町村」と「道府県」の「税額控除額⑤」という欄をそれぞれ確認してみてください。控除額が記載されていますが、ふるさと納税以外の控除も合算されています。
そのほかの控除額を差し引いてふるさと納税の控除額を算出しましょう。ほかの控除額がわからない場合には、管轄の税務署に確認してみてください。
所得税控除の確認方法
所得税の控除は納税の翌年4〜5月ごろに控除分が還付される仕組みです。還付金の受け取り方法は、ゆうちょ銀行窓口での受け取りと指定口座への振り込みの2つがあります。どちらの方法も還付金の受け取りによって控除されたことが確認できます。
受け取り前に控除額を確認することも可能です。e-Taxで確定申告をした場合には、ログインしてメニューの「還付金処理状況」から還付額や手続きの進行状態を見られますよ。
申告書を税務署に持ち込んだ場合などは、還付額や還付される時期が記載された「還付金振込通知書」で確認できます。還付金振込通知書は確定申告後、自宅に送られてくるのでポストを確認してみましょう。
通知が来ない場合や還付金額が間違っている場合は、管轄の税務署に問い合わせてください。申告ミスで還付金が少なくなってしまっても、5年以内に修正申告を行うことで取り戻せる可能性がありますよ。
ふるさと納税の控除上限は人によって違う
ふるさと納税は税金の控除が受けられますが、控除額には上限があります。控除上限額を超えてしまった場合、超過分は控除されず自己負担になります。
税制メリットを最大限受けたい場合には、控除上限額を超えないようにふるさと納税を行うようにしてください。
ふるさと納税の控除上限額は年収や家族構成によって異なります。自分の控除上限額を知りたい方はふるなびでシミュレーションを行なってみましょう。年収や家族構成を入力するだけなので最短1分で控除上限額を確認できますよ!
まとめ
ふるさと納税で税制メリットを受ける方法について紹介しました。
ふるさと納税は節税ではありませんが、所得税や住民税の控除が受けられます。返礼品も受け取れるため、お得感のある制度です。
実際に控除を受けるためには納税額の申告が必要です。ワンストップ特例制度または確定申告にて納税額を忘れずに申告するようにしてくださいね。
手続き方法が確認できたら、ふるさと納税をして実際に控除を受けてみましょう。ふるさと納税サイトを使うと目当ての返礼品を探せますよ。
ふるさと納税サイトは複数ありますが、お得に利用したい方には楽天ふるさと納税がオススメです。楽天ポイントの還元率が最大31%になるので、とてもお得にふるさと納税ができますよ。
サイトを閲覧するだけなら無料でできますので、まずはどんな返礼品があるのかを見てみることから始めてみてくださいね。
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